保護フィルムは貼るときに注意が向きがちですが、貼り替えや端末の返却の際には、きれいに剥がす作業も必要になります。爪や硬い道具で無理に剥がそうとすると、画面に傷を付けたり、ガラスフィルムが割れて指を切ったりするおそれがあります。粘着が画面に残ってしまい、新しいフィルムがうまく貼れないこともあります。
本記事では、保護フィルムを剥がす前の準備から、ガラス・PETなど種類別の剥がし方、粘着が残ったときの対処、業務用端末を複数台貼り替えるときの注意点までを整理します。素材の違いについては、PETフィルムとガラスフィルムの違いもあわせてご覧ください。
- 保護フィルムをはがす前に準備すること
- 種類別の保護フィルムのはがし方
- 保護フィルムをはがした後の処理と業務用端末での注意点
\ ご相談に必要な情報がまだそろっていなくても大丈夫です /
端末の型番・写真・寸法は、分かる範囲でお知らせください
保護フィルムをはがす前に準備すること
保護フィルムをきれいに剥がすためには、作業の前の準備が欠かせません。道具や作業場所を整え、貼っているフィルムの種類を確認してから取りかかりましょう。
- 剥がす目的によって作業の進め方が変わる
- 用意する道具と使ってはいけない道具
- 電源を切って作業場所を整える
- 貼っているフィルムの種類を見分ける
剥がす目的によって作業の進め方が変わる
保護フィルムを剥がす目的は、新しいフィルムへの貼り替え、気泡やほこりの入った部分の貼り直し、端末の返却や譲渡、修理への持ち込みなど、さまざまです。目的によって、剥がしたフィルムを再利用するのか、そのまま処分するのかが変わるため、作業の進め方も少しずつ異なります。
貼り直しを目的とする場合は、フィルムの粘着面にほこりや指紋が付かないよう、剥がした後の扱いに注意が必要です。一方、新しいフィルムに貼り替える場合は、古いフィルムを再利用しないため、画面を傷つけないことを最優先に、多少フィルムが曲がっても構わないと考えて作業できます。
端末を修理に出す場合は、メーカーや修理店から保護フィルムを剥がしてから持ち込むよう求められることもあります。剥がすタイミングや方法について案内がある場合は、その指示に従いましょう。
リースやレンタルの端末を返却する場合は、契約上、保護フィルムを剥がして返却する必要があるかどうかも、事前に確認しておきましょう。
用意する道具と使ってはいけない道具
保護フィルムを剥がすときに用意しておくと便利なのは、セロハンテープやマスキングテープ、柔らかい布、樹脂製の薄いカードやヘラなどです。テープはフィルムの角を持ち上げるきっかけを作るのに役立ち、樹脂製のカードは、浮いた角からフィルムと画面の間に差し込んで、少しずつ剥がしていく際に使えます。
反対に、カッターナイフやマイナスドライバー、ピンセットの先などの金属製の道具は使わないようにしましょう。金属の先端が画面に触れると、細かな傷が付くおそれがあります。爪で強く引っかくのも、画面の縁や爪自体を傷める原因になります。
樹脂製のカードを使う場合も、角が鋭いものや、汚れや砂が付いたものは避けてください。差し込む際は、画面に対して寝かせるように当て、力を入れすぎないことが大切です。
ガラスフィルムを剥がす場合は、万一割れたときに備えて、薄手の手袋を着けて作業すると、指を切るリスクを減らせます。
電源を切って作業場所を整える
保護フィルムを剥がす前に、端末の電源を切っておきましょう。画面が点灯したままだと、作業中に指が触れて意図しない操作が行われることがあります。また、画面が暗い状態のほうが、フィルムの端や粘着の残りが見えやすくなります。
作業する場所は、明るく平らで、ほこりの少ない場所を選びます。机の上に柔らかい布を敷いておくと、端末を置いたときに背面や縁が傷つきにくくなります。ケースやカバーを付けている場合は、先に取り外しておくと、フィルムの端に手が届きやすくなります。
貼り直しや貼り替えを続けて行う場合は、空気中のほこりが舞いにくい環境を選ぶことも大切です。浴室のように湿度が高くほこりが落ち着きやすい場所で作業する方法が紹介されることもありますが、端末に水分が付かないよう十分に注意してください。
作業の前に、新しいフィルムや清掃用の布など、貼り替えに必要なものもそろえておくと、剥がしてから貼るまでの時間を短くでき、画面にほこりが付くのを防げます。
貼っているフィルムの種類を見分ける
保護フィルムの剥がし方は、素材によって注意点が異なります。購入時の記録が残っていればそれで確認できますが、分からない場合は、見た目や手触りで見分けることもできます。ガラスフィルムは厚みがあり、端に少し段差が感じられ、指で軽くたたくと硬い感触があります。
PETフィルムやTPUフィルムは薄く柔らかく、端の段差がほとんど感じられません。TPUフィルムは特に柔らかく、曲面の画面に貼られていることが多い素材です。表面がざらっとしていればペーパーライクや反射防止のフィルム、斜めから見て画面が暗くなれば覗き見防止のフィルムと判断できます。
保護フィルムの主な種類と特徴は、液晶保護フィルムの種類別の解説でも紹介しています。種類が分かると、剥がすときの力加減や、割れへの備えを判断しやすくなります。
業務用端末で複数の種類のフィルムが混在している場合は、どの端末にどのフィルムが貼られているかを一覧で確認してから作業を始めると、手順を誤りにくくなります。
種類別の保護フィルムのはがし方
準備ができたら、フィルムの種類に合った方法で剥がしていきます。どの種類でも、角から少しずつ、ゆっくり持ち上げることが基本です。
- ガラスフィルムのはがし方
- PET・TPUフィルムのはがし方
- ペーパーライクや覗き見防止など機能付きフィルムのはがし方
- 割れたり欠けたりしている場合の注意
- 折りたたみスマホや曲面画面、業務用端末で気をつけたいこと
ガラスフィルムのはがし方
ガラスフィルムを剥がすときは、まず四隅のうち、浮きやすそうな角を一つ選びます。セロハンテープを角に貼り付けて上に引き上げるか、樹脂製の薄いカードを角とガラスフィルムの間にそっと差し込んで、わずかな隙間を作ります。
隙間ができたら、カードを奥へ少しずつ滑らせながら、ガラスフィルムを持ち上げていきます。ガラスフィルムは硬いため、一か所に力を集中させると割れることがあります。カードを左右に動かしながら、全体を均等に持ち上げるイメージで進めるとよいでしょう。
半分ほど剥がれたら、指でフィルムの端を持ち、ゆっくりと持ち上げて全体を剥がします。急いで一気に引き上げると、途中で割れたり、画面の縁に当たったりすることがあるため、最後まで同じペースで作業してください。
剥がしたガラスフィルムは、割れていなくても端が鋭いことがあるため、すぐに紙などで包んで、手が触れない場所に置いておきましょう。
PET・TPUフィルムのはがし方
PETフィルムやTPUフィルムは薄く柔らかいため、ガラスフィルムに比べると割れる心配がなく、比較的簡単に剥がせます。角にセロハンテープを貼って持ち上げるか、爪の先で軽く端をめくり、浮いた部分を指でつまんで、ゆっくりと引きはがしていきます。
剥がすときは、フィルムを画面に対して寝かせるように、低い角度で引くのがコツです。高い角度で急に引き上げると、粘着が画面に残りやすくなったり、フィルムが伸びたりします。特にTPUフィルムは伸びやすいため、ゆっくり引くことを意識しましょう。
長期間貼っていたフィルムは、粘着が劣化して画面に強く付いていることがあります。途中で引っかかるように感じたら、無理に引っ張らず、少し戻してから別の方向から剥がすなど、力を分散させながら進めてください。
曲面の画面に貼られたTPUフィルムは、端の部分が特に剥がれにくいことがあります。端から中央に向かって、少しずつ剥がしていくと作業しやすくなります。
ペーパーライクや覗き見防止など機能付きフィルムのはがし方
ペーパーライクフィルムや反射防止フィルム、覗き見防止フィルムなどの機能付きフィルムも、基本的な剥がし方はPETフィルムと同じです。ただし、覗き見防止フィルムは複数の層が重なった構造になっているものが多く、通常のPETフィルムよりも厚く硬い場合があります。
厚みのある機能付きフィルムは、曲げに対して反発しやすいため、急に剥がすと勢いよく跳ね上がり、画面の縁に当たることがあります。片手で端末を押さえ、もう一方の手でゆっくりと持ち上げるようにすると安全です。
マグネットや吸着で付け外しする着脱式のフィルムは、粘着で貼り付けているわけではないため、取り扱い説明に従って外すだけで済みます。無理に引きはがそうとすると、フィルムが曲がったり、固定用の部品が外れたりすることがあるため注意しましょう。
機能付きフィルムは価格が高めのものも多いため、貼り直しを考えている場合は、粘着面に指が触れないよう、端を持って扱うことが大切です。
割れたり欠けたりしている場合の注意
ガラスフィルムにひびが入っていたり、欠けていたりする場合は、通常よりも慎重に作業する必要があります。ひびの部分から剥がそうとすると、小さな破片が飛び散ったり、指を切ったりするおそれがあるため、ひびのない角から剥がし始めるのが基本です。
作業の前に、ひびの入った部分の表面に幅の広い透明テープを貼っておくと、剥がす途中で破片がばらばらになるのを抑えやすくなります。手袋を着け、目を近づけすぎないようにして作業しましょう。
ガラスフィルムの下にある端末の画面そのものが割れている可能性もあります。フィルムを剥がした後に画面にもひびがある場合は、無理に使い続けず、メーカーや修理窓口に相談してください。
破片が細かく砕けているなど、自分で剥がすのが難しいと感じる場合は、無理をせず、修理店や販売店に相談することも選択肢の一つです。
折りたたみスマホや曲面画面、業務用端末で気をつけたいこと
折りたたみ式のスマートフォンでは、内側の画面にメーカーがあらかじめ保護フィルムを貼っていることがあります。こうしたフィルムは画面の構造の一部として扱われ、メーカーが利用者自身で剥がさないよう案内している場合もあります。剥がす前に、取扱説明書やメーカーのサポート情報で、自分で剥がしてよいフィルムかどうかを必ず確認してください。
画面の端が曲がっている曲面ディスプレイの端末では、フィルムの端が画面の曲がった部分に密着しているため、平らな画面に比べて剥がしにくい傾向があります。曲面の部分から無理に剥がそうとせず、平らな部分に近い角からきっかけを作ると作業しやすくなります。
ハンディターミナルや医療機器などの業務用端末では、画面の周りに段差やボタンが近接していることが多く、樹脂製のカードを差し込む角度が限られる場合があります。端末によっては、画面の縁にパッキンやシール材が使われていることもあるため、縁の部分に道具を強く押し込まないよう注意しましょう。
メーカーの保証や修理の条件に関わる部分もあるため、判断に迷う端末は、自分で作業する前にメーカーや販売元に確認しておくと確実です。
保護フィルムをはがした後の処理と業務用端末での注意点
保護フィルムを剥がした後は、画面の清掃や粘着の除去、新しいフィルムの準備などを行います。業務用端末を複数台扱う場合は、作業の手順をそろえておくことも大切です。
- 画面に粘着が残ったときの対処法
- 剥がしたフィルムは貼り直せるか
- 業務用端末を複数台貼り替えるときは手順を統一する
- 剥がしたフィルムの処分方法
- よくある質問
- まとめ
画面に粘着が残ったときの対処法
長期間貼っていたフィルムや、粘着の強いフィルムを剥がすと、画面に粘着の跡が残ることがあります。粘着が残ったままでは、新しいフィルムがきれいに貼れず、気泡や浮きの原因になります。まずは、柔らかい布で軽く拭き取れるかを試してみましょう。
乾いた布で落ちない場合は、セロハンテープの粘着面を跡の部分に軽く押し当てて離す方法で、少しずつ取り除けることがあります。強くこすったり、硬いもので削ったりするのは避けてください。
清掃剤を使う場合は、端末のメーカーが推奨する方法に従うことが大切です。たとえばAppleは、Apple製品のお手入れ方法の中で、柔らかく糸くずの出ない布を使うことや、研磨剤を含む洗剤を使わないことなどを案内しています。ほかのメーカーの端末も、取扱説明書やサポートページで確認しましょう。
シール剥がし用の溶剤などは、画面のコーティングを傷めるおそれがあるため、メーカーが認めていない限り使わないようにしてください。
粘着を取り除いた後は、画面全体を乾いた柔らかい布で拭き、指紋や細かなほこりが残っていない状態にしてから、新しいフィルムを貼るようにしましょう。
剥がしたフィルムは貼り直せるか
気泡やほこりが入ったために一度剥がしたフィルムは、状態によっては貼り直せることがあります。粘着面にほこりや指紋が付いていなければ、ほこりを取り除いてから貼り直すことで、きれいに仕上がる場合もあります。
ただし、何度も剥がしたり貼ったりすると、粘着力が弱まり、端から浮きやすくなります。ガラスフィルムの場合は、剥がす途中で曲げの力が加わり、目に見えない細かなひびが入っていることもあります。貼り直した後に浮きや割れが気になる場合は、新しいフィルムに交換したほうが安心です。
気泡が自然に抜けるかどうかの判断や、貼り直す前の確認点については、保護フィルムの気泡は自然に抜けるかの解説で紹介しています。剥がす前に、時間を置けば解消する気泡かどうかを確認しておくと、無駄な貼り直しを避けられます。
粘着面に付いたほこりは、セロハンテープで軽く押さえて取り除けることがありますが、指で触れると皮脂が付くため注意してください。
業務用端末で貼り直しを行う場合は、貼り直した端末を記録しておき、一定期間後に浮きや気泡が出ていないかを確認すると、品質のばらつきを把握しやすくなります。
業務用端末を複数台貼り替えるときは手順を統一する
学校のタブレットや物流倉庫のハンディターミナル、店舗のレジ端末など、業務用端末の保護フィルムを複数台まとめて貼り替える場合は、担当者によって剥がし方や清掃方法がばらつかないよう、手順を統一しておくことが大切です。
手順書には、使う道具と使ってはいけない道具、剥がす順番、粘着が残った場合の対処、使用してよい清掃剤、作業後の確認項目などを簡潔にまとめておきます。写真を添えておくと、初めて作業する人にも伝わりやすくなります。
作業する台数が多い場合は、剥がす担当と貼る担当を分けるなど、流れ作業にすると効率が上がります。剥がした端末を長時間そのままにしておくと、画面にほこりが付いたり、傷が付いたりするおそれがあるため、剥がしてから貼るまでの時間をできるだけ短くするよう段取りを組みましょう。
作業後は、端末ごとに貼り替えた日付を記録しておくと、次回の貼り替え時期の目安になり、フィルムの発注量も見積もりやすくなります。
剥がしたフィルムの処分方法
剥がした保護フィルムの処分方法は、お住まいの自治体や事業所の所在地のごみの分別ルールに従います。PETフィルムやTPUフィルムはプラスチック類として扱われることが多い一方で、ガラスフィルムは、ガラスや不燃ごみとして分別する自治体もあります。分別に迷う場合は、自治体のホームページなどで確認してください。
ガラスフィルムを捨てるときは、割れていなくても端が鋭いことがあるため、厚手の紙や新聞紙で包み、「ガラス」などと表示しておくと、収集する人がけがをするのを防げます。割れたガラスフィルムは、破片が飛び出さないよう、テープで固定してから包むとより安全です。
事業所で大量の保護フィルムを処分する場合は、事業系の廃棄物として扱う必要があることもあります。事業所のごみの処理ルールを確認し、必要に応じて廃棄物の処理を委託している事業者に相談しましょう。
新しいフィルムの台紙や保護シートも、素材ごとに分別して処分しておくと、作業場所を清潔に保てます。
| フィルムの種類 | 剥がし方のポイント | 主な注意点 |
|---|---|---|
| ガラスフィルム | 角に樹脂製カードを差し込み、全体を均等に持ち上げる | 割れや鋭い端に注意し、手袋を着ける |
| PETフィルム | 角を持ち上げ、低い角度でゆっくり引く | 急に引くと粘着が残りやすい |
| TPUフィルム | 端から中央へ少しずつ剥がす | 伸びやすく、曲面の端が剥がれにくい |
| 機能付きフィルム | 端末を押さえ、ゆっくり持ち上げる | 厚みがあり跳ね上がることがある |
| 割れたガラスフィルム | ひびのない角から、表面にテープを貼ってから剥がす | 破片の飛散、画面自体の割れの有無 |
よくある質問
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まとめ
保護フィルムは、素材に合った方法で角から少しずつ持ち上げれば、画面を傷つけずに剥がせます。作業の前後で、次の点を確認しておきましょう。
- 金属や刃物を使わず、テープや樹脂製のカードで角を持ち上げる
- 電源を切り、明るく平らでほこりの少ない場所で作業する
- ガラス・PET・機能付きなど、種類に合った力加減で剥がす
- 粘着が残った場合は、メーカーの推奨する方法で優しく取り除く
- 業務用端末では手順を統一し、処分も分別ルールに従う
貼り替え用の保護フィルムが見つからない業務用端末がある場合は、型番や実測寸法、台数を整理したうえで、相談先を検討してみてください。
\ ご相談に必要な情報がまだそろっていなくても大丈夫です /
端末の型番・写真・寸法は、分かる範囲でお知らせください







